Git 道場に参加して思ったこと

縁あって Git 道場にチューターとして参加したので、思ったことなどを書いておきます。

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参加した理由

実は Git 道場というイベントのことは結構前から知っていたけど、扱う内容がそんなに難しくなさそうだったので参加申し込みをするつもりはありませんでした。ただ、申し込みを開始したのを偶然 Twitter で見かけたので、どれくらいの申し込みがあるのか気になって申し込みページを何度かリロードしたりして。で、最終的には上限の2倍弱の人数が申し込んでいて、結構人気があることに少し驚いたり。

その後、主催の方から「チューターの人数に余裕があれば、枠を増やすかも」という発言があったので、キャンセル待ちも多いことだしチューターやるか、という気持ちで応募しました(チューター募集は Git を使って行われていて、正しく応募できないと reject されるという形式でした)。

チューターとしての準備

当日、実技の時間が設けられていて、チューターは実技の際に参加者の質問に答えるなどの役割を担うため、実際の実技の内容について事前に共有を受けて自分たちで試したりしていました。難易度だったり進め方だったり意見を交わして、内容(主に実技でやってもらうことの順番)を少し変えたりしました。

個人的には、結構簡単な内容だし、参加者の大半はこれくらいできるんじゃないかなー、などと思ったりしてました。

実際やってみて

Git 道場は「道場」というスタイルで開催されました(タイムテーブルは上記ページから確認できます)。

『Git によるバージョン管理』の執筆者でもある岩松さん、小川さんの講義があり、その後に実技として実際にグループ(3〜6人)で Git を使ってみる、という内容です。

参加者の中には、「むしろチューターで参加してください」というくらい詳しい方もいらっしゃいましたが、大半は「使ってる(使ったことはある)けど、一人で使っている」という方でしたので、実技の内容は conflict や merge/rebase を経験する丁度良いものになっていたと思います。講師陣の豪華さと実技の内容を考えれば、多くの方が満足できたのではないかと思っています。

あと、皆が実技をやってる横で行われた「Git ラジオ」なるニコニコ生放送の内容はとても面白かったです。チューターだったので、ちょっとしか聞けませんでしたが(同じ部屋でやっていたので、手が空いているときは近くで放送の様子を見れた)。

手を動かすということの重要さ

で、 Git 道場に参加して、強く思ったことが一つあります。

それは、ソフトウェアエンジニアリングの世界でも「実際に手を動かすことがとても重要」だということ。

たとえば、今回の内容に関していえば、『入門 Git』『Git によるバージョン管理』を読んでいれば知っていることばかりでした。また、インターネット上で検索すれば merge/rebase について解説しているページはそれなりに見つかります(もちろん日本語で書かれたものも)。
なので、きっと今回参加された方で、これらの本も Web ページも見たことがない、という方はほとんどいないと思います。

rebase するとブランチがどうなってコミットがどうなって、ということは調べれば解説されていますが、実際に普段から使っている方以外で、それをちゃんと理解している方はほとんどいなかったのではないでしょうか。実際に使ってみようとすると、どうしたらいいのかわからなくなったり、操作を間違えてエラーが出てしまって対処に困ったりした、という方もいると思います。情報は探せばたくさんでてくるけど、それらに対して実際に手を動かして使った人とそうでない人の理解の差はきっと大きなものなのでしょう。

言い換えれば、本を読んだり、あるいは勉強会に出席して話を聞くだけでは真には理解できないことがある、ということだと思います。
写経は意味があるし、己の理解のための車輪の再発明は無駄ではないのです(生産性とかは別の話です)。

そういう意味でも今回のイベントで最も重要だったのは、やはり実技の時間だったのではないでしょうか。あの実技を経験することによって、 merge と rebase の違いを理解できた方は多かったと思いますし、グループ内でも Git に詳しい方からそうでない方への解説があったりして、得るものが多かったと思います。

Git 道場は自分にとっても良いイベントでしたし、また開催されるのであれば、なんらかの形で参加したいなーと思っています。その際は、 Git に興味がある方は是非参加してみてください。