中学受験の難しさ

 中学受験というのはもちろん小学生が受けるものです。したがって、その入学試験の中に英語という科目は一般的にありません。多くは、国語、算数、理科、社会の4つか、そのうちの一部が用いられます。

 小学校のカリキュラムに疎いため詳しくはわかりませんが、知っている範囲でも中学受験の問題というのは小学生が学んでいるレベルを一部超えています。たとえば、ある中学校の入試では社会で世界史が出てきます。さらに、算数などは特に顕著で、たいていの進学校は小学校では学ばない方法で解かなければならない問題を出してきます。

 そのため、中学あるいは高校で教えられる内容の一部を既に知っていたりします。自分の認識では数学の多くは小学生の頃に塾で教えられた内容でした。コンビネーションやパームテーションを当たり前のように用いていましたし、4年生の教材にn進数という章があったのを覚えています。数列では等差数列の和を求める式は教えられ、等比数列や階差数列、フィボナッチやリュカなどの特殊な数列も教えられました。

 中学受験で解かなければならない問題の中には大人でも解けないような問題がある、と言われています。言い換えれば、大人でも解けないような問題を子供に解かせているのです。これを良くないことだと言う人もいるかもしれません。しかしそれは、子供は大人ほど賢くない、という前提に基づいた意見です。子供だからといって見下しているようにも思えます。子供は大人が思っている以上に賢いのです。だから今の中学受験が成り立っているのではないでしょうか。

 大人は中学受験の問題を、子供ほど柔軟な発想で解くことはできないかもしれません。しかし、大人は経験からそれらの問題を解くことが出来ます。一部のトップクラスの進学校を除けば、多くの私立中学の受験算数は経験で解けます。中学高校で学ぶ知識を使えば簡単に解けます。これが解けないという人はおそらく学生の頃に、数学なんて社会に出ても使わない、と言っていたのでしょう。