最近のキーボードの話

 周りを見ていると、出力インタフェースにこだわる人は少なくない。たとえば大きくて輝度の高いTVにこだわる人や、高価なスピーカーに高価なアンプ経由で良い音を流したい人など。

 僕はこのような出力インタフェースに対するこだわりは、それほど強くない。より強いこだわりを持つ対象があるからだ。それはなにか。入力インタフェースである。

 入力インタフェースにこだわることと出力インタフェースにこだわることとの一番の違いは、結果への影響だと思う。出力インタフェースを変えれば、結果は変わる。より良い映像、より良い音を得られる。それに対して、入力インタフェースにこだわることで得られる即時的な分かりやすい変化はない。

 自分に一番関わりがある例だと、PCの入力と出力になる。出力と言えば、ディスプレイやスピーカー、プリンタ等があげられる。20inchを超える大きなディスプレイを使っている人やディスプレイを2つ並べて作業している人が、周囲にたくさんいる。僕が普段使うディスプレイは大きくても17inchだし、ディスプレイは余っているときだけ2つ並べるけれど、普段は1PC1ディスプレイだ。それにたいし、PCの入力には手をかけている。入力というのは、ここではキーボードやマウスのことだ(本当は同分類に椅子を入れたいが、さすがに入力インタフェースではないので今回は話題にあげない)。

 というところで、やっと本題に入る。キーボードの話だ。僕が好んで用いるキーボードはRealforceHappy Hacking Keyboard Pro2である。理由は簡単、静電容量無接点方式を採用しているから。

 静電容量無接点方式の良さについては、言葉で説明するよりも実際に触ってもらいたいと思う。ただ、僕が入力インタフェースにこだわる一番の理由である、「身体への負担」を考えたときに、静電容量無接点方式のキーボードが一番自分に合っていた、とはいえる。

 最近、静電容量無接点方式キーボードの1つ、HHK累計30万台を出荷したらしい。HHKはキーの数がかなり少なく、普通に使う分にはファンクションキーを多様せざるを得ない異色のキーボードだが、よくぞそんなに売れたなあ、と思う。売れてくれると、生産中止などにならずにすむので、素直に喜ばしい話である。

 また、Realforceについては、クレバリー限定品祭りを開催している。個人的には無刻印Realforceは魅力的だが、日本語配列だったので、今回は見送ることにした。Realforceは変荷重のものと統一過重のものがあり、多くの人に合うようにラインナップされているので、個人的にはおすすめだ(HHKはキー数が少ないので、おすすめしても微妙な反応ばかり返ってくる)。

 静電容量無接点方式のキーボードは打ち心地がとても良い反面、値もはるので、買いづらい側面があるが、最近はノーブランドものが出てきている。値段は10,000をちょっと超える程度だ。一度は触ってみたいと思いつつも、今までずっとサボっている(キーボードそんなにいらないし)。まあ、そのうち……。