安全率は高いほうが良い

 段取りが重要であることは周知のことだと思いますが、同時に段取りが容易ではないということも、多くの人が感じていることでしょう。段取りについて、http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/01/post_1653.phpで興味深いことが書いてありました。

 仮の作業、確かめるだけの作業はいくらでもできるし、簡単でもある。しかし、仮ではない本番の作業を実行してしまうと、もう取り返しがつかない。それを行ったことで、次の作業が制約され、どんどん動きにくくなる。あるときは、順番が間違っていたことに気づき、最悪の場合は、せっかく作ったものを壊したり、作り直したりしなければならないことになる。これが手順の失敗だ。この失敗をさせないことが、プロジェクトのリーダの役目だが、個々の作業を行うこと(労働)に比べると、その見極めは一般に、はるかに難しい。

http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/01/post_1653.php

 この話を極端にすると、本番の作業を実行しなければ失敗はないということになります。しかし、現実には本番の作業を行わないということは不可能です。いつかのタイミングで実行に踏み切る必要があります。つまり、仮の作業を行うのは簡単とは言えないのです。仮の作業を実行することで成功する確率を上げられるかもしれませんが、同時に限られた時間やエネルギーを消費してしまうというデメリットもあります。

 できるだけ安全率を高めに維持して作業を進めていこうと思えば、最初のうちは仮の作業を進めて、本番の作業はぎりぎりまでとっておくことになります。スパイラルモデルは近いかもしれません。変更が可能な部分を進めておいて、可能な限りの検証を行って改良する。変更できない部分はその後に処理することになります。

 最も重要なのはやはり、どこで不可逆な作業を開始するか、その采配でしょう。