衝突から得るもの

 最近は、4月からの新しい生活に備えて様々な準備を進めています。同時に、関わりのあるプロジェクトが佳境に入っているようで、また忙しくなりそうな予感をびしびしと感じております。

 何人かで集まって一つの目標を達成しようとするとき、そこにはメンバ間での衝突が少なからず発生します。衝突の結果として、相互の理解が深まることもありますが、その場合でも対価として時間とエネルギーを消費します。ましてや、良い結果が得られなかった時は目も当てられません。自分はこれまで、こういう状況では発言を控える傾向にありました。

 理由は2つあります。1つは、衝突によるエネルギーの消費を避けること。もう1つは、チーム全体を混乱させないことです。1つ目の理由に関しては、必要な衝突であると判断すればその時点でクリアされますが、2つ目の理由はとても重要だと思っています。というのも、決断のための時間が十分に与えられていないとき、複数の主張がもたらす混乱は、チーム全体の動きを止めてしまうからです。「船頭多くして船山に登る」というように、決断する人間が多いと最適解を選択することは難しくなります。したがって、親しい人間ばかりの集団でないのならば、決断する人間を事前に決めておいて、その決定にメンバ全員が従うことが目標達成の一番の近道だと考えています。

 しかし、実際には事前にそのような取り決めができない場合が少なからずあります。そのような場合、決断するべきタイミングで複数の意見が出ても大丈夫なように、普段からメンバ間のコミュニケーションを密にしておく必要があります。また、短期的な目標の達成を断念し、長期的な計画にシフトした方が目標を達成しやすいでしょう。最初のうちは多くの衝突が生まれると思います。その中には無駄な衝突も少なからずあるでしょう。しかし、どちらにせよ意見の相違などによる衝突には全員が主体的に関わり、一つひとつ解決していくしかありませんし、そうすることで、将来的には柔軟性の高いフレキシブルなチームができると考えられます。

 短期的な目標達成ならば前者の手法を用いる方が手っ取り早いでしょう。しかし、長期的な目標の達成、複数の目標の達成、大きな目標の達成には後者の手法を用いるべきです。たとえ、会社等の前者の手法を標準としている組織でも、です。なぜならば後者の手法には若干の投資が必要ですが、将来的にはトラブルに強い柔軟なチームができますし、また前者の手法にはあまりない予想外の成果も期待できます。

 自分も、もう少し他者に対して物怖じせずに、自分の意見を主張できるようになりたいと思います。