具体化する力

 前回に続き、目標達成に関連する内容になりますが、具体化する力の重要性について自分の考えを記します。

 ある目標に対して、十分に実行可能なレベルまで細分化できれば、自分が具体的に何をする必要があるのかがはっきりとわかります。とはいっても、細分化は常に簡単なことではありません。

 たとえば、ある目標に対して細分化していった結果、十分に実行可能なレベルまで具体化できないこともあります。十分に実行可能なレベルになっていなければ、そこで何をすればよいのかわからなくなります。この「何をすればよいのかわからない」状態は大変危険です。集中力やモチベーションを下げる要因になり、ついには目標達成が不可能になる、あるいは目標を達成できなくてもよくなる、という結果を招く一因になります。十分に具体化できていれば、目標を達成できる可能性は大幅に向上します。

 では、具体化できない理由とは何でしょうか。まず1つあげられるのが、具体化できるだけの知識や情報がない、ということです。具体化できるということは、自分がそのタスクを処理する瞬間を鮮明にイメージできるということです。これができないのであれば、その理由はイメージできるだけの知識あるいは情報を持っていないことが考えられます。つまり、まだ見えていない部分があり、その部分はどうすればクリアできるのかがわからないのです。

 もう1つ、経験が足りない場合も、十分に具体化できないかもしれません。知識として知っているのと、経験があるのとでは大きく違います。説明書を読んでみたけどイメージできない、とりあえずやってみたらわかる、というのは経験が足りないから具体的なイメージがもてない、といえるでしょう。

 とりあえずやってみるというフットワークの軽さは重要だと思います。しかし、闇雲に手をつけただけでは大抵の目標は達成できません。それだけで達成できるような目標なら、そもそも細分化する必要はないでしょう。

 以上のことから、具体化するためにやっておくといいことをいくつか見出すことができそうです。

 まずは、知識や情報を蓄えること。自分の目標の範囲だけでなく、それよりも一回り大きい範囲の知識や情報を集めることで、より具体的に目標をイメージできるようになります。

 そして、未知の世界ではまずやってみること。常に十分な経験がある状態で事に臨むことはできませんが、経験がまったくないのでは、具体的なイメージはまったくつかめません。

 さらに、応用力があると良いでしょう。ほとんど経験のないことでも、一見関係なさそうな過去の経験を、生かすことができるパターンは少なくないと思います。自分の過去の経験や知識を最大限に生かして、少ないデータから多くのイメージを得ることができれば、目標達成の一助となるに違いありません。

 せっかく目標を細分化しても、十分に具体化できていなければ、結果にはつながりません。結果を得るために、妥協せず具体化していくことが必要なのではないでしょうか。