『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』の宣伝

 『数学ガール』の新作がそろそろ(後40日くらい?)出そうなので、宣伝しておこうと思って。宣伝しようと思ったきっかけは、2009-09-11に書かれている新作無料プレゼントなんだけど、無料で手に入っても手に入らなくても書店で買うことは間違いないので、無料プレゼントそのものは誤差の範囲。でも応募はします。

数学ガール』とは

 当たり前だけど、著者による公式ページが詳しい。

『数学ガール』シリーズ

 公式のページでは『数学ガール』について、最初に以下のように説明されている。

数学ガール』は、 ミルカさん+テトラちゃん+「僕」という三人の高校生と、 中学生のユーリが、ひとあじ違う数学にチャレンジする楽しい《数学・青春・物語》です。 読み物形式でありながら、取り扱う数学的内容は本格的。 学生さんから社会人まで大人気のシリーズです。

『数学ガール』シリーズ

 『数学ガール』が書籍という形で世に出たのは、2007年の夏頃のこと。当時は、「オイラー生誕300年を記念して」という文句がついていた。まだ1冊目が刊行してから2年しか経っていない。しかし、本当の『数学ガール』の歴史はもう少し古くからある。ミルカさんや「僕」といった登場人物たちの初出は2004年までさかのぼる。当初は、Webでの公開だった(今でもそのページは残っている)。2004年から2006年にかけて、Web上で不定期に公開されたコンテンツをベースにして作られたのが2007年刊行の『数学ガール』なのである。

私にとっての『数学ガール

 先ほどの話から、『数学ガール』は2004年に初めて世に出たといえる。しかし、個人的には、『数学ガール』が初めて世に出たのは2002年だと思っている(2年前に書いた記事において、『数学ガール』のことを「5年前から愛してやまなかった作品」と書いている)。

 なぜ2002年か。その答えは、Web版「数学ガール」のページにある。Web版「数学ガール」のページには、コンテンツとして、『ミルカさんシリーズ』の他に『Where is the truth?シリーズ』というものがある。『Where is the truth?シリーズ』には、ミルカさん達『数学ガール』(書籍)の登場人物こそ出てこないが、『数学』と『女の子/女性』が登場する。私にとってはこのシリーズも、立派な『数学ガール』であり、そしてこの『Where is the truth?シリーズ』を含む全ての『数学ガール』の中で最初に公開されたコンテンツは、2002年初出の女の子という作品である。

数学ガール』に興味はあるけれど……という人に

 この記事は、『数学ガール』の宣伝なので、まだ『数学ガール』を知らない方に興味を持っていただくのが一番良いのですが、そういう方がこの記事を目にする確率はとても低いので、「ちょっと興味あるんだけど、書籍を購入しても難しくて読めないかもしれないし……」という方向けのことを書いておきます。身近な知り合いの方であれば、「試しにどうぞ」と書籍をお貸しすることもできるのですが……(この手法で3人ほど熱烈なファンを増やしました)。

 先ほども紹介した、Web版「数学ガール」のページには、書籍の1作目『数学ガール』のベースとなったコンテンツが今も残っています。『ミルカさんシリーズ』の6作品が該当します。登場人物も書籍の『数学ガール』と同じなので、まずはこちらを読んでみる事をお勧めします。

 また、書籍や上記Web上のコンテンツには多くの数式が登場しますが、「数式を見るのも苦手」、「文字びっしりの小説はちょっと」という方にお勧めできるのが、コミック版『数学ガール』です。こちらは上下巻の計2冊で、書籍版『数学ガール』の1冊目に相当する内容を扱っています。

 あと、良ければ『Where is the truth?シリーズ』にも触れてみてほしいなあ、と思います。個人的にはそちらも大好きなので。

 Web版やコミック版を目にして、本格的に興味を持った方や読めそうだと思った方には、是非書籍版を読んでいただければ、と思います。

こういう人に読んでもらいたい

 個人的には、『数学ガール』は「数学を好きになりたかったけど、なれなかった人」に読んでもらいたい作品です。数学を好きな方は楽しめると思います。でも、そういう方だけで楽しむのではもったいない。数学を好きにはなれなかったけど、数学に興味があった人、再び数学に向き合ってみたい人に読んでいただき、そういう人たちと『数学ガール』を通じて数学トークできれば嬉しいなあ、と思う次第です。